こんにちは。
北九州モデルハウスのスタッフよりお届けします。
家づくりというと、
間取りやデザイン、設備の話から始まると思われがちですが、
私たちが設計でいちばん最初に見るのは、敷地の外側です。
隣にはどんな建物が建っているのか。
朝と夕方、どこから光が差し込むのか。
一年を通して、風はどの方向から吹いてくるのか。
これらを読み取らずに描いた間取りは、
どこか「土地に置いただけの家」になってしまいます。

近隣建物は、図面に描かれない“壁”
隣家の高さ、窓の位置、距離感。
これらは法律的には問題がなくても、
暮らしの快・不快を大きく左右する要素です。
たとえば
・南側は空いているけれど、午後は西日が強すぎる
・視線を避けたつもりが、実際には2階の窓と正対している
・将来、隣に建物が建つと一気に暗くなる
こうしたことは、
敷地だけを見ていても分かりません。
現地に立ち、周囲を見渡し、
「この場所で、どんな時間が流れるか」を想像する。
設計は、すでにその時点から始まっています。

太陽高度は、数字ではなく“居心地”の話
「南向き=明るい家」
これは半分正しくて、半分は間違いです。
夏と冬では、太陽の高さがまったく違います。
冬は低く、夏は高い。
この太陽高度を意識しないと、
・夏は暑すぎる
・冬は思ったほど日が入らない
・カーテンを閉めっぱなしになる
そんな家になりがちです。
庇の出寸法、窓の高さ、部屋の奥行き。
これらはすべて、
太陽の動きを前提にして初めて意味を持つもの。
「どれくらい明るいか」ではなく、
「いつ、どんな光が入るか」。
そこまで考えて、初めて“心地よい採光”になります。

風配図は、窓の数を決めるためのものではない
風配図を見ると、
「じゃあここに窓をつけよう」と考えがちですが、
実はそれだけでは足りません。
風は、
・建物の形
・隣家との距離
・地形
によって、想像以上に曲がり、弱まり、溜まります。
大切なのは
「風が通るか」ではなく、
「その風が、どこを通って、どこで抜けるか」。
夏にだけ、そっと抜ける風。
冬は直接当たらず、室内を冷やさない風。
そうした季節ごとの風の扱い方を考えることで、
エアコンに頼りすぎない暮らしが成立します。

建築家目線とは、「図面の外を見ること」
斉藤工務店の家づくりは、
デザインや性能を否定しません。
むしろ、どちらも大切にしています。
ただ、それ以上に重視しているのが、
敷地と環境を読む力です。
同じ間取りでも、
敷地が違えば、正解は変わる。
同じ土地でも、
建て方次第で、暮らしは大きく変わる。
だからこそ、
「この土地だから、この家になる」
そんな設計を、ひとつひとつ積み重ねています。

家は、建てた瞬間より、住み続ける時間のほうが長い
図面では分からないこと。
カタログには載っていないこと。
それらを丁寧に拾い上げていくことで、
住んでから
「なんとなく落ち着く」
「理由は分からないけど、居心地がいい」
そんな家になると、私たちは信じています。
設計とは、
線を引くことではなく、
環境と対話することなのかもしれません。



